【世界を広げる】フレンチ食い倒れ@パリ:後編

前編では、私がフランス旅行をする際に、パリで「フレンチ食い倒れ」を実行しようと思った背景やその方法、およびDay 1 とDay2についてお話させて頂きました。もしまだ読まれていない方はそちらからぜひ読んでみてください!

後編ではDay3~5のフレンチ食い倒れ経験、そして最後にそれらをすべて経験した上で感じた私の学びについてお話したいと思います。

過去の旅を振り返りながら書いた記事も多いため、最新情報ではない可能性がある点、ご了承ください。

食い倒れ Day 3:Alliance

Alliance 

ミシュラン1つ星大宮敏孝シェフ https://www.restaurant-alliance.fr/

ランチコース95ユーロ+白ワイン1杯

3日目は、フランス人の間でも話題になっているレストランKeiに行きたいと思い、場所を調べ開店時間通りに向かいました。しかし、満席でこの日は入店できず、その代わりに翌日なら空いていると教えてくれたので、その場で予約をしました。

そこでレストランKeiの近くにあるフレンチを調べたところ、近くに日本人シェフのレストランがあることが分かり、こちらのお店に向かうことにしました。

こちらのお店もPassage 53 のように店内は白基調でしたが、雰囲気は少しくだけている印象。

3日目だからか、それとも前日が衝撃的だったからかわかりませんが、驚きはあまりありませんでした。もちろんすべて美味しいのですが、、

最初に出てくるアミューズに特徴がなかったり、メインのフォアグラが少し味が濃いと感じたり、デザートにあまり工夫が見られなかったり、と思うことがありました。味や印象としてはPassage 53 と近いものを感じましたので、初日は初めてという感動がありましたが、その感動が薄れてきて、より厳しい目になったと感じました。

毎日このような豪勢な食べ物を食べていてはフレンチのコースだけでは感動せず、より厳しい欲求をしてしまうと感じました。よく食事評論家などが厳しいコメントを出しているのも、そのような背景があるのではと勝手に想像してしまいます。

食い倒れ Day 4:Kei

Kei 

ミシュラン3つ星 小林圭シェフ https://www.restaurant-kei.fr/

ランチコース125ユーロ+アンガスビーフ18ユーロ+赤ワイン1杯

昨日予約していたので当日は安心して指定された時間に向かうことができました。実は私が訪れたときはミシュラン星2つだったのですが、20年のミシュランガイドで星3つを獲得しました。

創造力の高い、かつ日本らしい繊細さを兼ね備えた料理が出てくると聞いて、とても楽しみでした。

珍しい特徴的な外観
店内は広く、そして白基調のオーソドックスなフレンチレストランを感じさせてくれました。

ランコースの中でもフルコースと簡易コースが選べ、さらに肉料理を追加するかどうかというオプションがありました。もちろん料理はフルコースにして、さらに悩んだ末に肉料理も追加することにしました。だいぶ奮発しましたが、その価値があったと言えるとても美味しく・美しい料理を何品も見ることができました。

見た目は一つ一つに丁寧さを感じ、特に20種類の野菜サラダやバジルアイスは独創的だと感じました。私の勝手な想像ですが、サラダはジャックと豆の木を連想しました。また料理はどれも美味しく、文句の付け所が一つもありませんでした。

色んな食材を使っているにも関わらず、それらを1つの料理としてすべて調和されており、味の複雑さと深さを感じさせてくれました。本場フレンチの味に日本ならではの美意識が融合された素晴らしい食事の数々でした。

同じ日本人がフランスでこんなにも素晴らしい料理を提供しているということに刺激を受け、日本人の感性もしっかり世界に通用すると思わせてくれました。そして何よりも美味しく、記憶に残る体験となりました。

食い倒れ Day 5:L’Archeste

ところどころ奮発していたので、予算内に収まるか不安ではあったものの、最終日に父親が仕事を早く切り上げられるからフレンチに連れて行ってくれると言ってくれました。その誘いはありがたく受け、最終日は父親が決めてくれたフレンチに行くことになりました。

L’Archeste

ミシュラン1つ星 伊藤芳明シェフ  https://www.archeste.fr/

夜コース+白ワイン1杯 父親との食事で奢ってもらいました

お店はアットホームな雰囲気で、あまり肩肘張らずに楽しめる空間でした。二人で訪れたので、1つのお皿に二人分の料理も多く、会話が生まれるような演出でした。味としては本場フレンチよりかは日本人の味に合うフレンチという印象を受けました。感動はなかったですが、どれも美味しくいただくことができました。

やはり誰かと一緒に食べるご飯はそれだけで美味しく、楽しいですね!

旅の学び:本当に素晴らしいものは人々に感動を与える

フレンチを本場のパリで1週間続けて食べることで色んな発見がありました。

1.本当に素晴らしい料理・体験は人々に感動・衝撃を与える

今まで体験したことがない味、見たことがない盛り付け・演出、そしてその場の空間やサービスが作り出す1つの体験によって、私はフレンチを食べながら感動しました。特にDavid ToutainとKeiの経験は衝撃的で、今後もずっと語れる・記憶に残る経験となりました。

2.フレンチは時間がゆったり流れる空間を作り出す

コース料理はおよそ2~3時間ほどかけてゆっくり食べるため、その間非日常的な体験になり得る。その時間を親しい人と会話して、美味しい料理を楽しむこともできるし、自分と向き合う時間にしてもいい。

3.同じフレンチでも、シェフやお店の方針によって味・コンセプト・体験が異なること

David Toutainはやはり衝撃的で食材の良さを引き出すための演出・味付けがだった。イメージとしては和食に近く、より洗練されており、”引き算”の印象を受けました。一方、Keiは色んな食材を組み合わせながら調和する1つの味を作り出しており、”足し算”の印象でした。 L’ArchesteとAllianceはそれぞれ日本人シェフでしたが、 L’Archesteは日本人の味の好みに近いものを感じ、Allianceは伝統的なフレンチを意識されていたと感じました。あとは、お店に連れていく人にどのような経験をしてほしいか、もしくは自身の好みなどを考えながらフレンチレストランを選択すればいいと理解できました。

4.比較するために短期間で経験することが大切

1週間という短期間でフレンチを5軒食べることにより、味の違いや演出・考え方の違いを比較し自分なりに理解することができました。集中的に取り組むことで、物事の本質をより理解しやすいと感じました。高級フレンチはどれも美味しいかもしれませんが、どうせ同じようなお金を払うなら、より自身が求める体験を求めたいと思うようになりました。中途半端なお店に3~4回行くより、同じお金で自身にとって衝撃的な経験をもたらしてくれるレストランに1回行った方が私はいいと思えるようになりました。

5.嗜好品は連続して体験するとその有難みが減ってしまう

どのお店も高級店であり、とても美味しかったです。しかし、連続で食べていると「ここはあそこの店の方が良かった」、「この味付けは普通だった」など批判的な想いが芽生えてしまいます。贅沢は敵だと昔は言われておりましたが、今でも贅沢が続けば1つ1つの物事に対する有難み・感動が減ってしまうと思いました。日常と非日常の差があることで感動も生まれますし、何事もほどほどがいいと思いました。

パリで「フレンチ食い倒れ」というテーマを持ち旅行できたことで今まで知らなかった世界をたくさん知ることができました。リラックスして楽しみながら、学びも多いとても有意義な旅行になりました。皆さんもぜひパリに行く機会があれば、フレンチ食い倒れを試してみてください!家族もいてそんなことはできないという方はせめてDavid ToutainかKeiにはぜひ予約して行ってください。衝撃的な体験が待っているはずです!

では、また。ゆとりのある日々を。

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