【海外での生活体験~アメリカ編~】誰が料理を作るの!?

文化

私は幼少期の約10年間をアメリカで過ごしました。その時の経験を踏まえ、私なりに感じたアメリカ文化について共有できればと思います。他の国の文化を知ることで、自身の生活にその考えを取り入れたり、改めて日本の文化の良さを知ることができると思いますので、ぜひ読んでみてください!

今回は私が実際に見たある家庭の実情について共有していきたいと思います。その家庭では、旦那さんと奥さんがそれぞれご飯を別々に作っているのです!あまり日本では考えられない光景に、とても驚いたことを覚えています。このような家庭・生き方もあるんだ、という新たな気づきと共に、旦那さん、奥さんが料理を作ってくれる今の環境により感謝できるようになるきっかけになればと思います。

料理が別々。食べる時間も別々。

初めに断っておきたいのですが、この夫婦は別に仲が悪いわけではありません。普段は仲が良く、一緒に色んなところに出掛けたり、子供たちと遊んだりしています。ただ、食事に関しては別々というだけです。

私はその家庭の息子さんと仲が良く、近所ということもありしょっちゅう家に遊びに行ってました。そして何度も一緒にご飯を食べさせて頂く機会がありました。その中で私は以下の2点を気づき、驚いたことを今でも覚えています。

1.各々が料理を作り、食べていること(ちなみに子供の料理は奥さんが作っている)

2.それぞれ自身のタイミングでご飯を食べていること

料理が別々:各々料理を作り、食べている

それぞれどのような食事を摂っているかというと、旦那さんは野菜と肉中心の、炭水化物や脂質が少なめの料理を食べており、一方奥さんは典型的なアメリカンな食事(ピザ、ハンバーガー、マカロニ&チーズ)を中心に食べております。そして、それぞれが自分の分の料理を作ったり買ったりして用意します。

背景としては、お父さんはフルマラソンを走ったり、トライアスロンに参加するなどかなりストイックであり、当然食べるものも気にしています。そのため、食生活は野菜中心なとても健康的な内容となっております。

一方、奥さんは少し太っており、そのような食事では満足できない様子でした。そのため、炭水化物が多めの食事が中心となっております。おそらく紆余曲折を経て、このように食事を分けるようになったのだと思いますが、私にとっては衝撃的でした。また、旦那さんがスレンダーで筋肉質なのに対して、奥さんが少し太っている背景も理解することができました。

個人的にな奥さんが旦那さんの食事に合わせた方がより健康的な生活を送れると考えましたが、そのようにせず自身の好きな生き方で過ごすという強い信念?のようなものも感じました。

食べる時間も別々:それぞれ自身のタイミングでご飯を食べている

そして、二人とも家に居たとしても、時々食べる時間が別々のことがありました。奥さんは基本的には決まった時間にご飯を用意して(晩御飯なら17:00頃)、子供と自分自身で食べていました。

旦那さんは仕事をしていたり、ランニングに行ったりしているとき、やっていることを中断して食事を摂ることはありませんでした。タイミングが合えば家族と一緒に料理を準備し食べて、タイミングが合わなければ別々、と割り切った様子でした。そもそもご飯を作るのも別々なので、家族が食べる時間になっても旦那さんがいないことに奥さんが怒るなんていうことはありませんでした。

それぞれの生活リズムがあるため、どちらかに無理に合わせるのではなく、別々の時間を作ることで生活のストレスを減らしている様子が二人の家庭の在り方から感じました。

個人的に感じること

私がその夫婦に最初に出合ったのは20年ですが、今でも仲良く生活しているようです。離婚率が40%~50%のアメリカにおいて、ずっと一緒にいる夫婦は珍しいとも言えます。そして、おそらく結婚生活の成功の秘訣はこのように各々の生活リズム、食生活を尊重し好きにさせてあげることなのかもしれません。

日本だと専業主婦でお母さんが料理をするというイメージが強いと思いますが、最近ではお父さんも育児に参加したり料理する人が増えてきたと思います。ただ、それぞれ別々に料理を作ることはないと思います。そして、仕事の帰りが遅くならない限りは一緒に食べるように努めると思います。個人的には日本の多くの家庭のように、家族全員で一緒にご飯を食べたいと思いますし、同じものを食べて「美味しいね」と言えるように家庭を目指したいと思います。

一方、奥さんや旦那さんがご飯を用意してくれているのが当たり前だと思わず、ご飯を用意してくれたことに感謝をすることが大切だと改めて感じました。夫婦円満の秘訣は、割り切って別々の食事にするか、ご飯を作ってくれた人に感謝し、そのお返しを気持ちや行動で少しでもしてあげることだと思います。

最後に

今回はアメリカのある家庭を紹介させて頂きました。すべての家庭がこのようであると言うつもりはありませんが、このような各々の生活リズム・食生活を尊重した家庭があるということ、奥さんや旦那さんのいずれかが家族全員分のご飯を用意することが当たり前ではないことを気づくきっかけになればと思います。

王様であろうと、百姓であろうと、自己の家庭で平和を見出す者が、いちばん幸福な人間である

ゲーテ ドイツの詩人、小説家、劇作家

すでに家庭をお持ちの方は、まずは日々の当たり前の食事を当たり前だと思わず、感謝することから始めてみてはいかがでしょうか。そしてこれから家庭を築く方は、一緒にいる時間が長くなっても、感謝の気持ちを忘れないようにぜひ意識してみてください。

では、また。ゆとりのある日々を。

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