【海外での生活体験~ベトナム編~】家族の在り方:家族の万全な協力体制

文化

私はただいまベトナムに生活しており、ベトナム語を勉強しながらベトナムの文化や人々に触れております。言語を学ぶことでその国の文化や歴史がわかることが多いと感じております。そこで、私が聞いて驚いた点や面白いと思ったことを共有できればと思います。他の国の文化を知ることで、自身の生活にその考えを取り入れたり、改めて日本の文化の良さを知ることができると思いますので、ぜひ読んでみてください!

今回はベトナムの家族の在り方について共有していきたいと思います。ベトナムでは昔の日本がそうであったように、祖父母、両親、子供が一緒になって暮らしております。そして、その大家族は日々お互い協力し合うことで生活しており、家族の絆を感じます。現在、日本では各家族が当たり前になってきている今だからこそ、ベトナムの家族の在り方を知り、家族の在り方を考えるきっかけになればと思います

夫婦の共働きは当たり前!?

日本では夫婦の共働きが徐々に増えつつあると思いますが、実はベトナムでは当たり前のように夫婦は共働きしております。旦那さんは会社員として働き、奥さんも専門的なスキルがあれば会社員や先生として、そのようなスキルがなければ家事代行をするなど、夫婦が共働きして家族を養うお金をしっかり稼いでおります。

では、保育園などの施設が豊富にあるのかというと、そうではありません。子供の面倒は、夫婦が仕事から帰るまで祖父母が見ています。さらに、家事に関しても基本的には祖父母が対応し、奥さんが家に帰り次第一緒に手伝います。話によると、祖父母は家族の予定を必ず最優先するそうです。例えば、友達と出掛ける予定を立てていたとしも、子供のお迎えを突然対応する必要があれば、友達との約束をキャンセルしてまで、家族のために協力するそうです。

このように、祖父母の協力もあり、夫婦の共働きが可能になります。日本では、夫婦が共働きしている間に子供の面倒を見てもらう必要があるものの、受け入れてくれる保育園が少ないという問題もあると思いますが、ベトナムでは大きな問題にはなりません。

子供は勉強と仕事、お金の心配はいらない!?

次に子供についてですが、子供の仕事はしっかり勉強することです。これは日本と同じだと思いますが、子供はしっかり勉強し、良い教育を受け、良い大学を出て良い仕事に在りつくことが望ましいと多くの人が考えております(実は、最近では大学を出た学生でも職に在りつけないという問題が出てきております。ベトナムでは従来から工業地帯が多く、工場で働く労働者が必要とされてきました。しかし、近年、大学を出ている学生が多く、彼らは工場の労働者ではなく専門性のある会社員として働きたい希望があります。専門性を有するポジションの空きは少ない一方、工場では労働者不足であり、市場が求める人材と人々の希望にミスマッチが起きております、、)。

そして、親は、子供が学生の時はもちろん、社会人になっても支え続けます。祖父母が家事を手伝ってくれる点は先ほど述べましたが、それ以外にも必要に応じて金銭的援助を行います。家のお金は全員のものであるという認識があり、両親は惜しみなく子供にお金を使い、金銭的援助をします。日本では社会人になった子供や夫婦に現金の仕送りはほとんどないと思いますが、ベトナムではそのようなことがあっても全然不思議ではないようです。

老人ホームには入らない!?

これでは、祖父母が老後のためのお金がなくなるのでは、と心配される方もいるかもしれませんが、心配いりません。何故なら、老後お金が必要になれば、今度は彼らの子供(夫婦)がお金を稼ぎ、祖父母の面倒も合わせて見ます。さらに、祖父母は老人ホームには入らず、長男の夫婦が一緒に生活し、介護したり、生活の面倒を見ます。このように、夫婦が大変なときは祖父母が協力し、祖父母が大変なときは夫婦が支援する、そして将来その夫婦が年を取った時のために子供にはしっかり教育をして安定した職につけるよう支援するという循環が生まれます

ここで一点補足しておきますと、このように大家族と生活しているのは祖父母とその長男夫婦です。次男、三男は別の家庭を築く必要がありますが、その時には長男の時ほど子供の面倒や家事を常に支援してくれる祖父母の存在がありません。一方、その代わり祖父母が年を取って介護が必要な時な、基本的には長男夫婦が中心になりながら面倒を見る必要があります。そして長男夫婦の奥さんは、長男の両親と必ず共に生活する必要があります。このように、大家族で協力し合う良い点もあれば、大変な点もあると感じました。

最後に

ベトナムでは大家族が当たり前であり、家族同士で大変な時期協力しながら乗り切っていることが分かりました。家族の絆がとても深く、共働きの夫婦は子供の面倒や家のことをやってくれる祖父母の存在があり、祖父母は老後もその息子夫婦に面倒を見てもらえるという安心感があります。

近年の日本ではあまり馴染みのない家族の在り方だと思いますが、皆さんはこのような家族の在り方はどう思いますか?いきなり日本でこの考えを取り入れることは難しいかもしれませんが、このような家族の在り方があるということを知り今の家族の在り方と比較することで、日本の良い点、悪い点が見えてくるかもしれません。

最後に帰ってくる場所。どんなときでも温かく迎えてくれる場所。それが家庭であり、家族なのです。そこにしっかりとした自分の居場所があればこそ、人は安心して生きてゆけるのです。

ドロシー・ロー・ノルト アメリカの教育学者

家族の在り方を改めて考えるきっかけになればと思います。

では、また。ゆとりのある日々を。

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