前回からの続きとなります。もしまだ前回の内容を未確認の場合はこちらから確認してみてください!
4. 猫空龍門客桟
猫空龍門客棧は猫空エリアに位置する景観レストランです。実は猫空は台湾茶の名産地として知られております。そして猫空龍門客棧では、地元の茶葉を活かした料理が豊富に提供されています。
とにかくお茶に関連したものを食べてみたい、と思っていたので、鉄観音茶を使用した炒飯、お茶油を利用した細麺、鉄観音茶の蒸しパンを注文しました(あとは野菜も注文)。


いざ実食!
…正直、ほとんどお茶を感じられませんでした。炒飯は味は非常においしいのですが、お茶としてはほのかにお茶の味がするのと、舌に少しお茶のざらつきを感じる程度でした。また蒸しパンは、お茶の味はそこまで感じられませんでしたが、香りはしっかりしました。そしてお茶油の細麺はお茶を全く感じられませんでした。思うようにお茶を感じられませんでしたが、経験したことのないお茶料理を堪能でき、新しい体験となりました。
5. 迪化半日茶屋
迪化半日茶屋は台北の歴史ある迪化街にあります。こちらは伝統と現代が融合した台湾茶カフェであり、本格的な茶葉を使いながらも現代的な飲み物を提供しております。また、茶器販売店と隣接しており、本格的な茶器セットも購入することができます。

店内奥には木々が茂る中庭があり、自然光が差し込む落ち着いた雰囲気の中でお茶を楽しめます。我々もその席で緑豊かな中庭と落ち着いた空間が広がり、ゆったりとした時間を過ごすことができました。
こちらでは紅玉紅茶+シナモン+リンゴソーダのアイスティーと、茶葉とコーヒー豆を混合して挽きハンドドリップで抽出した茶珈琲を注文しました。


茶珈琲は初めての体験であり、どんな味がするのか全く想像がつきませんでした。コーヒー豆は浅煎りのアフリカ豆、台湾茶は東方美人茶を利用していました。気になって店員さんになぜ東方美人茶を組み合わせたのか聞いたところ、東方美人のほのかな香り・味わいがアフリカコーヒー豆の酸味と良く合うということでした。割合としてはコーヒー豆が8-9割ほど、茶葉が1-2割という感じでした。
さらには、コーヒー豆と茶葉を挽くときのコツは粗挽きにすることとのことでした(細かく挽くとい茶葉が細かくなりすぎて、コーヒーフィルターが詰まりやすく、抽出に時間がかかってしまうとのことです。)。
さて、いざ実食(実飲)です。まずは提供されたホットからです。
…コーヒーですね。サードウェーブコーヒーで、浅煎りのため豆の酸味が引き立っており美味しかったです。頑張ってお茶を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。でも、何度か集中して飲んでいると、ほのかなお茶の香り・すっきりとした後味があるように感じました。私が東方美人茶の味をいまいちわかっていないため、どの味が東方美人茶だったのか理解できていない可能性も大いにあります。
次には味の違いを比較するために提供してくれたアイスを飲んでみます。
なんと、お茶です!かなりすっきりしており、第一印象は完全にお茶でした。お茶の中にコーヒーぽさもあり、先ほどの印象と真逆でした。茶珈琲をホットとアイスで飲むとここまで味わいが違うのか、ということに驚きを感じました。さらには、生まれて初めて茶珈琲を飲むことができ、非常に良い体験となりました。
さて、こちらのカフェは茶器のお店と隣接しておりました。そのお店の茶器は洗練されているにも関わらずどこかかわいらしい雰囲気もあり、お気に入りの茶器セットを見つけることができました。そこで即決し、旅の目的の一つでもあった茶器セット購入が無事叶いました。

ご参考までに、茶器のお店のサイトリンクを以下掲載します。

6. 萃釅(すいえん)
萃釅は台北市大安区に位置する伝統的な台湾茶文化を現代的な感性で再解釈した茶芸空間です。こちらでは茶芸体験を提供しており、侍茶師による丁寧な淹れ方で、茶の香りや味わいを最大限に引き出します。茶器や提供方法にも工夫が凝らされており、五感で楽しむ茶芸体験が可能です。お茶の時間を最大限に楽しむため、席数は6席しかなく、さらには完全予約制です。1回の体験は120分間となっており、選択する茶葉次第ではあるものの料金は1人あたり1-2万円以上します。
さて、こちらのお店に行くために前日に予約をしたのですが、当日に子供(まだ幼児)も席代を請求します、という連絡があり、さらには子供の席を含めると私が予約した枠では収まらないため、4時間早めの時間帯に来るよう連絡がありました。
旅の予定もあり直前の変更に対応するのも難しく、さらには子供(幼児)は席には絶対座らないにも関わらず席カウントされ高い席代を請求されてしまうため、お店に行くのを断念しました。子供(幼児)はあまり来てほしくないような雰囲気を感じ取り、今回の訪問は諦めました。非常に残念でしたが、このお店のような高級伝統茶は子供がもっと大きくなってから、もしくは大人だけの旅が可能になってから訪れたいと思います。
旅の学び
台湾でお茶文化を様々な角度から体験することで色んな発見がありました。
- その国・地域独自の強みを発展させる面白さがある
台湾はお茶の産地でもあり、昔からお茶が親しまれております。そして、そのお茶があらゆる場面で応用・発展しており、私が今まで経験したことがない形でお茶を楽しむことができました。伝統台湾茶、台湾茶ビール、Nitro(窒素)・CO2(二酸化炭素)ガス入り台湾茶、茶珈琲、茶炒飯など、様々な体験ができました。地域の特産物(強み)を利用した発展の仕方が見られ、このように発展させることでその地域の産業が潤い、さらにはその地域への愛着心が育まれると感じました。また、その地域にその特産品が豊富にあるからこそ、その特産を利用することに経済合理性もあると感じます。 - お茶はその空間・時間を楽しむもの
台湾茶を楽しむ際に、お茶の味そのものだけではなく、店内の空間だったり、店員さんの所作、様々の要因がお茶と向き合い・お茶を楽しむ素晴らしい時間につながると実感しました。お茶を通して喧騒から離れ、心を穏やかにする時間、自分と向き合う時間にすることができると感じました。また、台湾茶は小さいおちょこのような湯呑でお茶を飲むため、複数人でお茶を楽しむ場合はお互いに関心を向ける必要があります。そうすると、一緒にお茶を飲んでいる人との距離が縮まり、お互いの話に耳を傾け、楽しい時間を過ごすことができます。 - 一度の体験で満足せず、色々体験しながら比較することも大切。
今回、2店舗で台湾伝統茶を体験することで味もさることながら、空間・演出の違いなどを実感することができました。また、複数のカフェを訪れ、あらゆるお茶の発展を目の当りにしました。そのおかげで、一つのカフェが特別なわけではなく、台湾(台北だけ?)全体でお茶文化が新しい方向に発展していることを理解できました。 - 飲・食を楽しむ旅では人数が多い方が有利
これは当たり前からもしれませんが、人数が多い方が同じ量を注文しても、お互い交換し合ったり分け合ったりしながら複数種類のものを食べたり、飲んだりできます。一人旅ではどうしても一つのお店で一つのものしか頼めず(2つ、3つ頼んでもいいがお腹いっぱいになり次の店に行けなくなる)、体験が限定的となってしまいます。妻と分け合うことで腹6-7分のルールを守りながら複数のお茶体験をすることができました。 - お茶とコーヒーは相性がいい→新しいアイディアの作り方
今回かなり衝撃的だったのは茶珈琲でした。このような組み合わせが可能なのかという衝撃であり、自分にとって新たな扉が開けた感じがしました。私はコーヒーが好きで毎朝コーヒーをドリップで淹れているのですが、お茶との組み合わせをチャレンジしてみたいと思いました。また、今回は試せませんでしたが、茶葉をエスプレッソマシンで抽出する方法なども見かけました。このように、お茶とコーヒーの融合だったり応用できることで新しい発見があるはずです。また、確かにお茶とコーヒーを冷静に比較すると両方ともカフェインがあり、飲み物であり、ホットでもアイスでも楽しめるという共通点があります。このように、共通点のあるものであれば掛け合わせながらさらなる発展・応用ができるのかもしれません。
最後に
台湾で「お茶文化を知る」というテーマを持ち旅行できたことでお茶の新たな発展を体験し、新しい気づきにもなりました。皆さんもぜひ台湾に行く機会があれば、伝統台湾茶や台湾茶から発展した新しいお茶体験を楽しんで頂ければと思います。きっと新たな気づきや、優雅なひと時を与えてくれるはずです。
良い旅行するために、金持ちである必要はない。
ユージーン・フェドア 米国バイオリニスト
では、また。ゆとりのある日々を。
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