前回からの続きとなります。もしまだ前回の内容を未確認の場合はこちらから確認してみてください!
背景
以下の通り、このような文化が出来上がった背景としていくつかの要因が考えられます。
- 成長著しい環境
ベトナムはここ数年GDPの成長率が約7%で成長しています(ちなみに日本は0~1%です)。
GDP成長率が7%だと、10年も経てば国が2倍に成長するほどのスピード感です。
すなわち、目まぐるしいスピードで日々状況が変わっており、その分チャンスも多くあります。良いと思ったらすぐに行動し取り入れることでそのチャンスをつかむ可能性を高めることができます。 - 混沌を気にしない
成長が著しい国だからかもしれないが、物事が変わっていくのが当たり前と思っている人が多いです。そして、変わり目では必ずものごとが統一されておらず、混沌とした状態になります。混沌とした状態が20~30年続いているため、混沌が当たり前と思っている人が多くいると感じます。 - とにかくやってみよう精神
ベトナム人と話をすると、根本には“まずはやってみよう”、という考え方があると感じました。
良いと思ったのであればそれをまずは試してみて、それが上手く行けば良し、上手く行かないのであれば修正するなり元通りに戻せばいいと考えます。
考えすぎても分からないものは分からないので、とにかく行動してみる、ということを大切にしていると感じます。
実際の会話で、“日本人はリスクばかり考え、なかなか新しいことにチャレンジしないが、ベトナム人はスピードを大切にします。例えば、新しいシステム導入を検討しているのであれば、まずやってみて、ダメならやめればいい。色々考えている時間がもったいない”という話を職場でしたことがあります。 - 歴史的背景
ベトナムの歴史を振り返ると、中国に支配され、その後はフランスの植民地となり、そのあともアメリカが一部地域に滞在しているなど他国との関わりが常にありました。
さらには、カンボジアの前身であるチャンパ王国を攻める形でベトナムは南の領土を拡大しており、ベトナムの山岳地帯には多くの少数民族がおります。実はベトナムには54の民族がいるとされております。
このように、色んな国や民族の文化影響を歴史的に受けており、それぞれの文化の良さを自分たちの生活に組み込むということを昔から行ってきたことが分かります。変化を拒むのではなく、受け入れなながら自分たちも変わっていくという頼もしいベトナム人の先人たちが思い浮かびます。
個人的に思うこと
スピード感をもって“良い“ものを積極的に取り込む姿勢はリスクもあるが、基本的には素晴らしい考え方だと思います。
日本人として、どうしても何かをやったあとのリスクや責任を負わされることを恐れ、検討から実行までのスピードが遅くなる傾向があると思います。ただ、いくら考えても分からない、やってみないとどうなるか予想がつかないことがあると思います。
特にこのご時世、物事がものすごいスピードで変わる中、変化しないリスクも高いと言えます。まずは行動してみる、という行動力は我々日本人が学ぶべき点だと感じます。
もう少し日本とベトナムの違いについて考えると、ベトナムは植民地化や他国・他民族の影響を多く受ける一方、日本は、第二次世界大戦後までは他国からの影響も限定的であり、独自の文化を育む時間があったと思います。
その独自な文化として、日本ではわびさびなどの思想・美意識が身に付いたと考えます。このようなルーツがあるからこそ、我々日本人は統一感を大切にしているのかもしれません。
さらに付け加えると、長い平穏の時間や伝統的に農耕民族であることが相まって、急激な変化を恐れるようになったのかもしれません。急激な変化自体が嫌いであるとともに、試してみてそれが上手く行かなったときの代償が日本では大きすぎる(例えば冬を越すための農作物を収穫できなかった)ため、考え方がより保守的になってしまったのかもしれません。
最後に
今回はベトナムにおける「良いものを積極的に取り入れる文化」についてお話しさせて頂きました。
成長著しいベトナムにおける環境変化や歴史歴背景なども相まって、とにかくやってみよう、リスクや全体との整合性はあとで考えよう、という意識をベトナム人の多くは持っており、そのおかげで常にスピード感をもって新しいことを取り入れる文化ができあがったと考えます。
変化の多い今の時代、我々としてもベトナム人の積極性を学ぶ必要があると感じます。変化を恐れず、「良い」と思ったらぜひ試してみてください。
全ての成功は、行動することから始まる。
パブロ・ピカソ スペイン画家
では、また。ゆとりのある日々を。
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