【教育】世界の共通言語は英語とロジカルシンキング!?ロジカルシンキング普及の背景について

世界

特に社会人1年目の頃、「ロジカルに説明しろ」・「ロジカルな資料を作成しろ」という指示をよく受けていました。そもそもなぜロジカルである必要があるのか。ロジカルシンキングが普及した背景を理解しながら、なぜ現代ではロジカルであることが求められるのかをひも解いていきたいと思います。

コンテクスト文化

ロジカルシンキング普及において鍵となるのは、コンテクスト文化という概念です。コンテクストとはお互いの間での共通認識や価値観となります。例えば、家族の共有言語として「チンして」というと「電子レンジで温めて」、妻に「あれ取って」というとほしいものを取ってくれるなどです。このような事例は家族、部活仲間、友達、職場、世代などでも存在しており、ハイコンテクストの場合はお互いの価値観・共通認識が多い状態、ローコンテクストは共有価値観が少ない状態を指します。

さて、このコンテクストは国単位でも当てはまります。日本人同士で話す場合、アメリカ人同士が話す場合等、国民の間で自国独自の価値観や考え方がいかに共有されており、それがコミュニケーションの根底にどれ程反映されているのか。日本を始めとするアジア諸国はハイコンテクスト文化とされており、国民が多くの共通価値観を持つため明確に言葉でものごとを表現せずともお互い意思疎通できる風土があるということです。一方、欧米諸国は移民などが多く、前提となる共通の価値観や考え方が少ないためローコンテクスト文化とされています。そのため、国民同士のコミュニケーションにおいても自身の考えを明確に言語化することが重要になってきます。特にこのようなローコンテクスト文化の国では、コミュニケーションを円滑するために自身と相手の前提理解を揃える必要があり、その手助けとしてロジカルシンキングというフレームワークが出来上がったと考えられます。

下の図がコンテクストを国や地域別に表したものとなります。日本を始めとしたアジア諸国は右側にあり、ハイコンテクストであるとされています。一方、左側はローコンテクストとされており、欧米諸国が位置していることがわかります。

引用元:https://abroadlifestyles.com/high-vs-low-context-culture

ロジカルシンキング普及の背景

さて、ロジカルシンキングを自身と相手との前提理解を揃えるフレームワークだと捉えた場合、背景が異なる人たち同士のコミュニケーションにおいてこのフレームワークが重要視される理由が理解できると思います。近年ではグローバル化が進み、今では国を跨いでのコミュニケーションは当たり前になりつつあります。日本人同士でも知らない人であれば共通事項は少ないと思うかもしれませんが、別の国となるとなおさら価値観や考え方が異なります。国際的なコミュニケーションにおいて共通の言語(英語)と思考を整理し相手に伝えるための共通の方法(ロジカルシンキング)があることでコミュニケーションがより円滑になる、ということです。これは世界中のトレンドであり、ロジカルシンキングは英語と同様、グローバルスタンダードのコミュニケーションスキルであると言えます。

最後に

このように、ロジカルシンキングは日本発祥の考え方ではなく、欧米諸国から輸入された考え方であることが理解できたと思います。ロジカルシンキングが求められる背景を理解することでロジカルシンキングを学ぶモチベーションが向上したり、この考え方を身に着けコミュニケーションに活かそうと思う人が少しでも増えると幸いです。

最後に補足ですが、ロジカルシンキングを活用できたからといって、それだけで国際的なコミュニケーションが円滑になるとは思いません。実際は相手の文化や歴史的背景を理解し、それらを踏まえた上で相手と適切なコミュニケーションを取ることが必要になります。相手のことを尊重し、思いやり、想像力を膨らませながら、ぜひコミュニケーションを試みてください。

人生の質はコミュニケーションの質である

アンソニー・ロビンズ(アメリカ作家)

では、また。ゆとりのある日々を。

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